私が顕正会に入ったのはかれこれ四半世紀も前になります。
当時不動産の営業マンだった私は自宅を購入したいという初老のご婦人を売却物件にご案内していました。
その物件は広告物件と呼ばれるもので、傾斜地に立っているため登記簿上の土地面積は多いものの、そのほとんどが傾斜地にとられて実質的な有効面積は狭い…、つまりチラシ広告に掲載される活字の情報だけでは坪単価が異常に低く設定されているという「オトリ物件」だったのですね。
それはどうでも良いのですが…、その物件を実際にご覧になったそのご婦人は
「これでは近々来る大地震にはもたないわね…。」
「でも私は大丈夫なの。守られているから♡」
なんて表情を変えずにつぶやかれたのです。
「ん?この人はヤバイひとじゃなかろうか…。」なんて思いも頭をよぎりましたが、「人柄なんて関係ねぇ!お金をいっぱい落としてくれる人が良いお客様!」という会社の方針を腹の底まで染めていた優秀な私は嬉々としてそのお客様を追客していくことに決めたのです。
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