よい子のみなさん、こんにちは。お元気ですか。
前回は、御本尊様にお供えする三具足(華・香・灯)のうち、華について説明しましたがおぼえていますか?
今回は、その続きをお話しします。
⑧香(線香・抹香)について
私たちがふだん使用するお香には、線香と抹香の二つがあります。皆さんも、勤行やお墓参りの時にはお線香を使うので良く知っているでしょう。抹香は、法事の時などにお焼香でつかう粉状になったお香のことです。どちらも火をつけると、とても良い香りがしますね。
法華経の法師品をはじめ多くのお経の中で、「抹香、塗香、焼香」(法華経三一九ページ)などを、仏様にお供えしたことが説かれています。これは、仏様の御前をお香の香りで清浄にし、その良い香りを供養する意味があります。
前回のしきみと同じように、お香をたいて仏様に供養したことが法華経に説かれているのですね。まごころをこめて良い香りを仏様にお供えするように心がけましょう。また、線香はユラユラとけむりが立ちのぼりますが、そのけむりではなく香りを供養することに意味があるので、まちがわないでくださいね。
香をたく香炉は、三具足(五具足の場合も)の中心におきます。
線香は、一~三本を火のついた方を左にして、横にねかせて置きます。ほかの宗派では線香を立てますが、そうすると灰がとび散って汚れたり、机をこがしてしまうことがあります。そして、そのようすを見る私たちの心まで乱れて、勤行や唱題に集中できなくなってしまいます。これは、香をたく心がけの「静穏」と反対のことになってしまうので、日蓮正宗では自然と今のような形式になつたようです。
「日蓮正宗では、お線香をねかせる」このきまりをおぼえてくださいね。
⑨灯(ローソク)について
ローソクは、灯を御本尊様にお供えするために使用し、仏様に供養する灯のことを「灯明」といいます。
法華経薬王品(法華経五三〇ページ)には、薬王菩薩が自分の臂を焼いて、その灯りを仏様に供養したことが説かれています。また、貧しい女性が自分の髪を売って変え、灯明を仏様にお供えしたところ、どんなに強い風が吹いてもその火は消えなかったという話が別のお経に説かれています。
これらのお話は、自分のとても大切なものを灯明に変えて仏様に御供養した、その功徳がたいへん大きいことを教えているものです。
私たちは、実際に身体を傷つけることはしませんが、灯明供養にはふかい意味があることを知って、心をこめてローソクに灯をともすようにしましよう。
灯明は、「仏様はすばらしい、ありがたい」という気持ちを表す大切な御供養ということをおぼえてくださいね。
④そのほかのお供え
三具足のほかに、御本尊様には毎日「お水」をお供えします。お水は朝勤行前にお供えし、夕勤行前にお下げします。
お供えする時には、しきみの葉の先端部を器に入れてお水をそそぎます。また、皆さんが顔をあらったりする前に、最初に、お供えするお水をくむようにしましよう。(これを「汲み初めの水」といいます)
また、炊きたてのご飯を、自分たちがいただく前にお供えします。
私たちにとって、水やご飯はとても大切なものです。生きていくために必要なたべものを、一番はじめに仏様にお供えする。そして、そのお下がりを仏様からいただいて、私たちが生活できていることをわすれてはなりません。
おわりに
私たちが御本尊様にお供えするものは、すべて尊い御供養となります。この心がけをもって、皆さんの家の御本尊様に対して、毎日かかさずお給仕することが信心のきほんです。
皆さんも、なにかひとつ役目をきめて御本尊様へのお給仕をしてみてはどうでしようか?すばらしい修行となるので、毎日つづけておこなうよう努力しましよう。
それでは、来月まで元気でね。
(妙教 平成21年7月号 32~35ページ)
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