Q 丑寅勤行ってな~に?
よい子の皆さん、こんにちは。お元気ですか。
今回は、総本山で毎朝行なわれている丑寅勤行についてお話をします。
丑寅勤行とは、総本山大石寺・客殿において、御法主上人の大導師のもと、午前二時半より行なわれる勤行のことです。
第二祖日興上人が第三祖日目上人に与えられた『日興跡条々事』に、
「勤行を致して広宣流布を待つべきなり」
とあります。
丑寅勤行は、大石寺が建てられた約七百二十年前の日興上人の時代から、一日も休むことなく続けられている勤行なのです。
御法主上人は毎日、私たちが眠っている夜中にお経をあげられて、世の中が平和になるよう、私たちが幸せに暮らせるように、御祈念してくださっているのですよ。知っていましたか?
「丑寅」という字はとても難しいけれど、どのような意味があるのか、これから説明していきます。
①丑寅は時問をあらわす
はじめに、丑寅は時間をあらわします。
皆さんが学校にでかける時間は、八時くらいかな?給食は十二時くらいに食べるよね。このように、今は時間を数字であらわしているけれど、むかしはこれを十二支であらわしていました。皆さんも知っている、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥のことです。
この中で、丑の刻(時間)は夜中の一時から三時まで、寅の刻は三時から五時までのことをさしています。
ぐっすり眠っている時間なので、よくわからないかもしれませんが、夜中の一時はまだまつ暗です。そして、五時ころになるとだんだんと明るくなってきて、起きる時間が近づいてきます。つまり、この時間は暗やみから明るくなる時、眠りから覚めて動き出す時、そのちょうど移り変わりの時が「丑寅」の時刻なのです。
これを仏法では「三世諸仏成道の時」といって、特別な時間と考えているので、大石寺ではこの時刻にあわせて、毎日丑寅勤行が行なわれているのです。
②丑寅は方位をあらわす
次に丑寅は方位をあらわします。
太陽は東から昇って西に沈むのは知っていますか?北風は寒くて、南の島は温かいですよね。
この東西南北のうちで、うしとらの方角は北と東の真ん中、北東にあたります。また、この方向を鬼門ともいいます。
昔から、仏法では鬼門を特別な方向であると考えており、実際にインドや中国、日本において、仏法の中心地は都の北東(鬼門)にあることが多いのです。
皆さんが登山した時、大石寺から見る富士山の眺めはとても素晴らしいですよね。実は大石寺から見える富士山の方角は鬼門にあたります。大石寺と富士山は、仏法からみてもとても深い関係にあるのですね。
③丑寅勤行では何をするの?
丑寅勤行では、皆さんが家で行なう朝勤行と同じ、五座の勤行をします。
ただし、現在は家の仏間などの一ヵ所で五回(五座)のお経をあげますが、むかしの大石寺では、五つの建物をそれぞれ移動して五座のお経が行なわれていたそうです。昔は今より大変だったのですね。
ところで、皆さんは丑寅勤行に参加したことはありますか?ある人は知っていると思いますが、客殿の御本尊様に向かって勤行を終えてから、御法主上人は左側の遥拝所に移られて勤行をされていますね。これは、奉安堂の大御本尊様に対して、遠く離れた場所から毎日勤行を
されているのです。これを遥拝といいます。
その後、御法主上人は六壷に移動されて勤行をされ、丑寅勤行のすべてが終わります。
おわりに
丑寅勤行には、中学一年生から高校三年生などのお小僧さんとお所化さんたちも、順番に御法主上人のお供をなさっています。学校があるのに大変ですね。
私たちは丑寅勤行はしませんが、その代わりに朝の勤行を毎日しっかりと行なっていくことが大切です。
皆さんは、朝勤行を何時に行ないますか?その時間よりも、もっと眠い夜中に勤行されている方もいるのですから、負けずに頑張りましよう。
では、また来月まで元気でね。
(妙教 平成21年5月号 31~34ページ)
コメント